県別の利回りマップでは、表面利回りが西日本で高く北日本で低い「西高東低」の傾向を紹介しました。この差の背景にある要因のひとつが日射量です。ただし、利回りは「価格に対する収益率」であり、価格自体も地域で異なります。ここでは価格を切り離し、1kWの設備がどれだけ発電するか(設備利用率)という、発電のポテンシャルそのものを見てみます。
日射量とは何か
日射量は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の日射量データベースや気象庁の観測統計で公表されている、地域ごとの太陽光エネルギーの量です。太陽光発電の年間発電量は、大まかにはパネル出力×地域の日射量で決まるため、日射量の地域差がそのまま発電量の地域差につながります。一般に、瀬戸内・南九州・沖縄など晴天日数の多い太平洋側・南西日本で高く、積雪や曇天の多い日本海側・北日本で低くなる傾向が公表データから読み取れます。
「設備利用率」というもう一つの物差し
設備利用率は、年間発電量(kWh)÷(設備容量(kW)×8,760時間)で表される指標で、太陽光では一般的に12〜15%程度とされます。日射量が多い地域ほどこの数値は高くなりやすく、同じ1kWの設備でも、立地によって年間の発電量(=売電収入の源泉)にはっきりした差が出ます。過積載や経年劣化、パワーコンディショナでのピークカットも実際の発電量に影響しますが、地域差の土台にあるのは日射量です。
利回りと発電量は必ずしも一致しない
ここで注意したいのは、発電量が多い地域が、必ずしも利回りが高い地域と一致するとは限らないという点です。利回りは発電量だけでなく、取得価格の水準・出力抑制の有無・土地条件など複数の要因で決まります。西日本は日射量・利回りともに高い傾向が見られますが、これは複数の要因が重なった結果であり、発電量そのものは価格や利回りとは別の軸として比較する価値があります。
買い手にとっての意味
同じ表面利回りの物件が2つあっても、日射条件の異なる立地であれば、将来の発電の安定性や天候による下振れリスクは異なり得ます。サンムーブの収益推定は日射量データを織り込んで計算していますが、特定の年の天候(曇天の多い年など)までは織り込めません。価格・利回りに加えて、立地の日射条件も判断材料の一つとして持っておくと、比較の精度が上がります。
※本ページで示した傾向は、NEDO・気象庁の公表データに基づく一般的な説明であり、個別設備の発電実績や将来の売電収入を保証するものではありません。
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