「中古の太陽光発電所って、実際どれくらい売買されているのだろう」——サンムーブで物件を探すときに、ふとそう感じたことはないでしょうか。サンムーブは経産省の認定情報を月次で取り込んでおり、前月との差分から事業者名の変化を検出することで、この「市場の動き」を匿名集計のかたちで可視化しています。今回はその集計結果から、中古市場の実際の流動性を見てみます。
「所有者移転」はどう検出しているか
月次差分で事業者名が変わった設備をすべて「売買」とみなすと、実態より多くカウントしてしまいます。たとえば法人成り(有限会社→株式会社)や漢字の異体字・表記ゆれは、同一事業者が形式だけ変えたケースです。サンムーブはこうしたケースを機械的に判定して「名義変更」に分離し、事業者名は同一で代表者だけが変わった「代表者交代」(SPCの持分譲渡シグナル)とも区別したうえで、残った第三者間の実質的な売買シグナルだけを「所有者移転」としてカウントしています。
直近の月次差分:536件・約13.9万kWが所有者を変えた
直近の月次差分(2026年5月→6月)の集計は次の通りです。
- 所有者移転(中古売買シグナル):536件(合計出力 約13.9万kW、1件あたり平均約260kW)
- 代表者交代(SPCの持分譲渡シグナル):1,080件
- 新規認定:280件
- 運転開始:322件
- 抹消・失効:2,070件
同じ「事業者名の変化」でも、第三者への所有者移転より、代表者交代(持分譲渡)の方が約2倍多い点は目を引きます。SPC(特別目的会社)の持分だけが動くケースが、設備そのものの売買より多いことを示唆しています。
電源別・地域別の内訳
所有者移転536件のうち、電源別では太陽光が518件(96.6%)を占め、残りは風力18件でした。件数の絶対水準としては太陽光が中古売買の中心であることが分かります。
都道府県別に見ると、福島県63件・千葉県49件・兵庫県28件・北海道25件・岡山県24件・茨城県22件・栃木県21件など、上位12県だけで全体の約6割(60.4%)を占めます。特定の県に売買が偏る傾向がうかがえますが、単月データのため季節要因の可能性もあります。
この数字をどう読むか
全国のFIT太陽光認定設備・約38.3万件に対して、月間536件という所有者移転は全体の0.1〜0.2%程度の規模です。中古太陽光は株式や不動産のように頻繁に転売される市場ではなく、ゆっくりと、しかし確実に動いている——というのが実態に近い姿だと考えられます。
この集計の前提と限界
この集計は単月(2026年5月→6月)の差分に基づく実数で、季節性や複数月の傾向までは反映していません。また「所有者移転」の判定は事業者名の変化を機械的にたどった推定シグナルであり、理想的には法人番号での名寄せが望ましいものの、現状はそこまで実装できていません(→名寄せの仕組み)。「抹消・失効」件数についても、当サイトでは失効・取消・事業廃止・データ更新を区別できておらず、必ずしも設備の廃止を意味しない点にご留意ください。
※本ページの件数・出力の数値は、資源エネルギー庁「事業計画認定情報」の月次差分(2026年5月→6月)に基づく集計の実数です。査定額・収益予測は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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