県別の表面利回りランキングでは、福岡・大阪・沖縄が上位、青森・秋田・北海道が下位という「西高東低」の傾向を紹介しました。ただし表面利回りは売電収入 ÷ 価格だけを見た数字で、運営コストを引いていません。実質利回り(NOI)まで踏み込むと、コスト側にも地域差があるため、順位がそのままスライドするとは限らない、というのが今回の論点です。
コスト側にも「地域差」がある
県別のコスト差を生みうる要因は、主に3つ考えられます。
- 出力抑制(カーテイルメント):九州エリアの出力抑制のように、送配電エリアによっては発電量の一部が売電できず、表面利回りの計算より実際の収入が目減りしやすい地域があります。
- 損害保険料率:台風・豪雨・積雪など自然災害リスクは地域ごとに傾向が異なり、料率感(円/kW・年)に差が出やすいと考えられます。
- 地形・地目:山影・傾斜による発電量の下振れや、地目構成による固定資産税の水準も、平地の多い県と山間部の多い県で効き方が変わります。
順位が動きやすいと考えられるパターン
以上の要因を踏まえると、次のような傾向が考えられます(実際のコスト・収益は個別設備ごとに異なるため、あくまで一般的な仮説の整理です)。
- 表面利回りが高いエリアでも、出力抑制の影響が大きい送配電エリアに属する県は、実質利回りではその分だけ順位を落としやすい
- 台風常襲地域に含まれる県は、保険料率の織り込みで表面ほどの差にならない場合がある
- 山間部が多い県は、発電量の下振れ(地形補正)と土地評価額の低下(地目)が逆方向に効くため、実質利回りへの影響は一概にプラス・マイナスと言い切れない
つまり「表面利回りが高い県=実質利回りも一番高い県」と単純に読み替えるのは早計で、コスト側の要因もセットで見る必要がある、というのが実務的な結論です。
サンムーブでの確認方法
県別の実質利回り(NOI)を集計したランキングそのものは、出力抑制・保険・地形補正の織り込み精度を高めながら今後の機能改善候補として検討していますが、個別設備であれば推定価値ページで、その設備の所在地・出力抑制・コストを反映したNOI内訳をすでに確認できます。県単位の目安だけで判断せず、気になる設備は個別にNOIまで見ることをおすすめします。
※本ページで述べた順位変動の要因・傾向は一般的な仮説の整理であり、都道府県別の実質利回りの実際の集計値・実際の取引価格を保証するものではありません。
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