以前の月次「所有者移転」の回で、直近1か月(2026年5月→6月)に所有者移転が536件検出されたことを紹介しました。今回は同じデータから「誰が買い増しているか」を、個社名を伏せた匿名集計で見て、買い手側の集中度を掘り下げます。
上位10者だけで全体の2割超
所有者移転536件を取得者(買い手)ごとに件数集計し、買い増し件数の多い順に並べると、上位10者(法人・個人を含む・個社名は非公開)の合計は114件。所有者移転全体536件の21.3%を、わずか10者が占める計算になります。上位3者に絞っても61件(11.4%)、最も件数の多い1者だけで39件(7.3%)に達します。
出力(kW)ベースで見ると、集中度はむしろ下がる
同じ上位10者の取得出力を合計すると18,163kW。所有者移転全体の合計出力139,401kWに対する比率は13.0%で、件数ベースの21.3%より低い値です。件数では2割を占める「買い増し上位勢」も、出力(kW)で見ると1割強にとどまり、規模の面では市場平均に近い存在感になります。
なぜ順位が下がるのか——平均取引規模の違い
この逆転の理由は、上位10者の1件あたり平均取得出力にあります。上位10者の1件あたり平均は約159.3kWで、それ以外の買い手の1件あたり平均287.3kW(市場全体平均260.1kW)と比べて小さめです。つまり買い増し件数の多い買い手は、大型案件を単発で取得するのではなく、比較的小規模な設備を数多く積み上げる傾向がうかがえます。以前の事業者タイプ別の規模集積の回で見た「低圧分譲業者は多数の小口案件を量産する」構造と、方向性が一致する結果です。
この数字が示すこと・示さないこと
この集計は単月(2026年5月→6月)の買い増し件数に基づく傾向であり、上位10者が継続的に同じペースで買い増しを続けるかどうかは、今回のデータだけでは確認できません。買い手の個社名・業種の内訳はプライバシー保護の観点から本ページでは開示していません。件数の多さは市場での存在感の一端を示す指標ではありますが、財務体力や事業戦略までを示すものではない点にご留意ください。
※本ページの件数・出力の数値は、資源エネルギー庁「事業計画認定情報」の月次差分(2026年5月→6月)に基づく集計の実数です。査定額・収益予測は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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