以前の名寄せで、18万件のオーナー名義が8,207グループに集約されることを紹介しました。低圧分譲業者の回では、取扱設備数トップ30グループのうち22グループ(73%)が「低圧分譲業者」に分類されることにも触れています。今回はこのトップ30グループを、事業者タイプ(gtype)別に見たときの「規模の集積」の違いを掘り下げます。
事業者タイプはどう分類しているか
サンムーブは名寄せで束ねたグループごとに、平均出力・電源構成・名義の分かれ方などの傾向から、「低圧分譲業者」「大規模IPP/ファンド」「同族グループ」「登記代行」などのタイプ(gtype)に機械的に分類しています。個別の事業者名は伏せ、タイプ単位で集計した実数を見てみます。
件数(設備数)で見ると、低圧分譲業者が7割
取扱設備数トップ30グループ・合計15,281件を事業者タイプ別に分けると、次のようになります(グループ数・設備件数)。
- 低圧分譲業者:22グループ・10,717件(全体の70.1%)
- 大規模IPP/ファンド:3グループ・2,565件(16.8%)
- 同族グループ:4グループ・1,706件(11.2%)
- 登記代行:1グループ・293件(1.9%)
設備の「件数」だけで見れば、低圧分譲業者が圧倒的多数を占める構図です。
出力(kW)で見ると、順位が入れ替わる
同じトップ30グループを、今度は合計出力(kW)ベースで見てみます。トップ30合計は約878.8万kWです。
- 大規模IPP/ファンド:684.8万kW(全体の77.9%)
- 低圧分譲業者:118.2万kW(13.5%)
- 登記代行:53.6万kW(6.1%)
- 同族グループ:22.2万kW(2.5%)
件数では16.8%に過ぎなかった大規模IPP/ファンドが、出力ベースでは78%近くを占め、逆に件数7割だった低圧分譲業者は出力では1割強にとどまります。同じ「トップ30グループ」というくくりでも、何を軸に見るかで景色がまったく変わることが分かります。
1件あたりの規模で見ると差はさらに明確
グループ内の1件あたり平均出力を計算すると、タイプごとの性格の違いがより鮮明になります。
- 大規模IPP/ファンド:1件あたり平均2,669.7kW(高圧・特別高圧クラスのメガソーラーが中心)
- 登記代行:1件あたり平均1,827.8kW
- 同族グループ:1件あたり平均130.4kW
- 低圧分譲業者:1件あたり平均110.3kW(低圧クラスが中心)
大規模IPP/ファンドの1件あたり平均は、低圧分譲業者のおよそ24倍です。低圧分譲業者は「多数の小口案件を量産」する構造、大規模IPP/ファンドは「少数の大型案件を積み上げる」構造——同じ「トップ30グループ」でも、ビジネスモデルの重心がまったく異なることが、実数からうかがえます。
市場全体で見た位置づけ
なお、この分析対象はあくまで名寄せグループ8,207のうち上位30グループ(全体の0.4%未満)です。全国のFIT認定設備・約39.0万件、名寄せグループ8,207のうち、低圧分譲業者に分類されるグループは551(6.7%)で、トップ30グループの中では多数派である一方、市場全体で見れば少数派という以前の回の指摘とも整合的です。
この数字が示すこと・示さないこと
事業者タイプの分類は、平均出力・電源構成・名義の分かれ方といった間接的な指標に基づく統計的な推定であり、各グループの実際の事業実態を個別に確認したものではありません。タイプの境界線上にあるグループが誤分類される可能性もあります。また、トップ30グループという抽出条件自体、名寄せロジックの改善により今後変動し得るものです。個別の事業者名・順位はプライバシー保護の観点から本ページでは開示していません。
※本ページの件数・出力の数値は、資源エネルギー庁「事業計画認定情報」に基づく集計(データ反映:2026年6月時点)から算出した実数・推定値であり、特定の事業者の規模や順位を示すものではありません。査定額・収益予測は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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