先日、出力区分別の件数構成比で、全国のFIT太陽光認定設備は件数で見ると低圧が9割近くを占める一方、出力(kW)ベースでは特別高圧が3割を超えることを紹介しました。この「大規模案件」の存在感は、都道府県によってどれくらい違うのか——今回は各都道府県ページに掲載している出力区分別の集計データから、高圧(500〜2,000kW)・特別高圧(2,000kW以上)の比率を都道府県別に比べてみます。
「大規模案件比率」はどう見たか
サンムーブは都道府県ごとに、出力区分別の件数・合計出力(MW)を集計したページを用意しています。今回はこの47都道府県分の集計から、件数のうち「高圧(500〜2,000kW)」と「特別高圧(2,000kW以上)」を合わせた件数の割合を都道府県別に算出しました。
件数ベースでは、東北・北陸・北海道が上位
全国平均は4.4%(太陽光設備38.3万件のうち、高圧500kW以上・特別高圧が計17,009件)です。都道府県別の上位は次の通りです。
- 秋田県:9.5%
- 島根県:9.1%
- 石川県:9.0%
- 山形県:8.7%
- 北海道:8.3%
逆に下位は沖縄県(0.9%)、山梨県(2.4%)、徳島県・東京都(ともに2.5%)などで、大都市圏や離島県ほど大規模案件の比率が低くなる傾向がうかがえます。全国トップの秋田県は、最下位の沖縄県のおよそ10.6倍の比率です。
出力(MW)ベースで見ると、福島・宮城・岩手など東北勢が突出
同じ都道府県別データを、件数ではなく出力(MW)の合計で見ると、様子が変わります。県内の合計出力に占める「高圧500kW以上・特別高圧」の出力比率は次の通りです。
- 福島県:86.1%
- 宮城県:86.0%
- 岩手県:85.3%
- 青森県:83.1%
- 秋田県:81.0%
全国平均は64.5%(合計約5,830万kWのうち、高圧500kW以上・特別高圧が計約3,761万kW)で、東北6県はいずれもこれを上回ります。特別高圧(2,000kW以上)の件数だけを見ても、福島県は106件で全国最多。2位の宮城県(62件)を大きく引き離しています。
件数と出力で「顔ぶれ」が変わる理由
件数ベースの上位(秋田・島根・石川など)と、出力ベースの上位(福島・宮城・岩手・青森など)は、秋田県以外あまり重なりません。これは前回の全国集計と同じ理由で説明できます——1件あたりの平均規模が県によって大きく異なるためです。件数としては目立たなくても、特別高圧クラスの案件がまとまって立地する県では、出力ベースの存在感が一気に高まります。
この数字が示すこと・示さないこと
この比率が高い都道府県ほど「売買市場に高圧・特別高圧クラスの物件が出やすい」とは単純には言えません。あくまで認定件数の地域分布であり、実際に売却の意向がある設備の分布とは別物です。大規模案件の取得を検討する際は、県別の実質利回りや系統連系の制約なども合わせて確認する必要があります。まずは目的の都道府県で出力区分を絞り込んで、実際の物件を見てみるのが確実です。
※本ページの件数・出力の数値は、資源エネルギー庁「事業計画認定情報」に基づく都道府県別集計(データ反映:2026年6月時点)の実数です。査定額・利回りは公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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