中古の太陽光発電所を年度別に眺めていると、「なぜかこの年の認定がやたら多い」と感じることがあります。実際、サンムーブが集計する全国の太陽光認定設備・約38.3万件は、認定年度でかなり偏った分布をしています。今回は認定単価の分布を手がかりに、件数がどの年度に集中したのかを見ていきます。
件数の大半は、制度開始から数年に集中している
認定単価(=実質的に認定年度)ごとの件数を多い順に並べると、次のようになります(サンムーブ集計)。
- 2013年度認定(36円/kWh帯):約12.3万件(全体の約32%)
- 2014年度認定(32円/kWh帯):約5.7万件(約15%)
- 2018年度認定(18円/kWh帯):約5.4万件(約14%)
- 2012年度認定(40円/kWh帯・制度開始年度):約4.8万件(約12%)
- 2016年度認定(24円/kWh帯):約3.2万件(約8%)
この上位5年度だけで、全体の8割強を占めます。特に2013年度は単独で3割超と突出しており、FIT制度が始まった2012年度から2年目にして、いわば「認定ラッシュ」のピークを迎えたことが分かります。
なぜ2012〜2014年度に集中したのか
背景として考えられるのは、主に次のような要因です。
- 初期の調達単価が高かった——2012年度は40円/kWh、2013年度も36円/kWhと、後年に比べて高い水準でスタートしました。単価の高さが、参入意欲を強く後押ししたと考えられます。
- 認定手続きに対して開発が追いつく期間があった——認定自体は2012年度から可能でしたが、土地の取得や設備の調達・工事には一定の期間がかかるため、認定件数のピークが翌年度以降にずれ込んだ面があります。
- 制度の周知が進み、参入者が急増した——制度開始直後よりも、事例が広まった2013〜2014年度にかけて申請が増えたと考えられます。
その後、調達単価は年度を追うごとに段階的に引き下げられ(→認定年度でFIT単価はどれだけ違う?)、新規認定の件数も次第に落ち着いていきました。直近2020年度以降の単価(8.5円〜13円)は、件数としてはごく少数派です。
中古市場への含意——「初期集中」は残存年数の分布にも表れる
太陽光FITの標準的な買取期間は20年です。認定件数が2012〜2014年度に集中していたということは、単純計算では2032〜2034年度前後にかけてFIT満了を迎える設備が集中する可能性を示唆します。逆に言えば、いま市場に出てくる中古設備のうち相当数は、単価は高いが残存年数は短い、初期認定の設備である可能性が高いということでもあります。設備を探す・売る際は、認定年度(=単価の階層)だけでなく、実際の残存年数の計算根拠まで確認することをおすすめします。
※本ページの件数・年度区分は資源エネルギー庁が公表する認定情報に基づく集計値(データ反映:2026年6月時点)であり、認定日と運転開始日のズレなど個別設備の事情により、実際の残存年数・満了時期は前後します。査定額・利回りは公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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