中古太陽光を年式(認定年度)で比べていると、「昔の認定は単価が高くて有利」「最近の認定は単価が低いけど残存期間が長い」という、一見どちらとも言えそうな話に行き当たります。FITの調達価格(売電単価)は認定年度ごとに国が固定しており、年々下がってきました。単価の違いと残存年数の違い、価値への効き方を整理してみます。
太陽光の調達価格(税抜)はこう下がってきた
資源エネルギー庁が公表する太陽光の調達価格(税抜・50kW以上区分)を見ると、認定年度が新しくなるほど単価は下がり続けています。
- 2012年度認定:40円/kWh
- 2015年度認定:27円/kWh
- 2018年度認定:18円/kWh
- 2021年度認定:11円/kWh
- 2024年度認定:10円/kWh
2012年度から2024年度で、単価はおよそ4分の1まで下がっています。10kW未満・10〜50kW未満の区分も水準は違いますが、下がり方の傾向は同じです。
単価が下がった分、残存年数は長くなっている
FITの固定価格での買取期間は10kW以上の太陽光で標準20年です。認定年度が新しいほど、今の時点(2026年度)から見た残存年数は長くなります。認定から20年で満了すると単純化すると、2026年度時点でのおおよその残存年数は次のようになります(実際は認定日・運転開始日により前後します)。
- 2012年度認定:残り約6年
- 2018年度認定:残り約12年
- 2024年度認定:残り約18年
つまり「単価は低いが、これから長く売電できる」新しい認定と、「単価は高いが、残りわずか」な古い認定を比べることになります。
試算:単価の高さと期間の長さ、どちらが効くか
両者を同じ土俵で比べるため、年間発電量を1kWあたり1,200kWh(全国平均的な水準の仮定)とし、割引率4.5%(サンムーブの推定価値モデルと同じ前提)でコスト控除前の売電収入だけを現在価値(PV)に割り引く、簡略化した試算をしてみます(以下はコストを一切引いていない単純比較の試算例です)。
- 2012年度認定(単価44.0円税込・残り6年):PV 約27.2万円/kW
- 2018年度認定(単価19.8円税込・残り12年):PV 約21.7万円/kW
- 2024年度認定(単価11.0円税込・残り18年):PV 約16.1万円/kW
単価は2012年度から2024年度でおよそ4分の1に下がった一方、この試算でのPVは約1.7倍の差にとどまりました。単価の下落率ほどには、残存年数が長いことによる価値の底上げが効いていない、という結果です。これは、単価の差がそのまま毎年の収入差として効くのに対し、割引計算では遠い将来の年ほど現在価値が目減りするため、「残存年数が長い」ことの価値への効きが単価差ほど大きくならないからです。
中古を見るときの視点
「単価が低い年式だから割安」「単価が高い年式だから割高」と単価だけで判断するのは早計で、逆に「残存年数が長いから新しい認定の方が必ず有利」とも言い切れません。上の試算はO&M・土地・保険・償却資産税・出力抑制・経年劣化といったコストを一切考慮しない単純比較です。各設備の推定価値ページでは、実際の認定日・出力・所在地に基づき、これらのコストとFIT残存年数(→残存年数の感応度)を反映した推定純収益・推定価値(→DCFの考え方)を開示しています。
※本ページの単価は資源エネルギー庁が公表する調達価格(税抜)に基づきますが、発電量・残存年数・割引率はいずれも試算のための仮定であり、個別設備の実際の推定価値・取引価格を保証するものではありません。
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