以前の出力区分別の件数構成比で、件数では低圧が9割弱を占める一方、出力(kW)ベースでは特別高圧の存在感が大きく増すことを紹介しました。今回は同じ出力区分(低圧・高圧・特別高圧)について、区分の内側——各区分の「1件あたり平均出力(kW)」を見て、区分ごとの規模構造の違いを掘り下げます。
区分別「1件あたり平均出力」の実数
全国のFIT太陽光設備(約38.3万件・合計出力約5,830万kW)を出力区分別に見ると、1件あたりの平均出力は次の通りです。
- 低圧(10〜50kW未満):42.5kW(34.2万件)
- 高圧(50〜500kW未満):255.4kW(2.4万件)
- 高圧(500〜2,000kW未満):1,125.6kW(1.6万件)
- 特別高圧(2,000kW以上):17,942.8kW(1,098件)
区分が一段上がるごとに平均出力はおよそ4〜16倍に拡大し、低圧から特別高圧までの合計では約422倍の開きになります。
低圧は「上限近く」に偏り、特別高圧は「下限からかけ離れる」
ここで区分の定義(出力の範囲)と平均値を照らし合わせると、区分ごとに違う偏り方が見えてきます。
- 低圧(10〜50kW):平均42.5kWは上限50kWの85%の水準。多くの案件が範囲の上限付近に集中していることがうかがえます。
- 高圧(50〜500kW):平均255.4kWは範囲のほぼ中間。件数が比較的分散していると考えられます。
- 高圧(500〜2,000kW):平均1,125.6kWも範囲のほぼ中間で、高圧(50〜500kW)と似た分布傾向です。
- 特別高圧(2,000kW以上):平均17,942.8kWは下限2,000kWの約9倍。上限のない区分のため、数百MW級のメガソーラーなど一部の超大型案件が平均を大きく押し上げていると考えられます。
低圧が上限付近に偏る背景には、低圧区分の系統連系・認定手続き上の扱いを踏まえ、50kW未満に収まるよう規模を設計する案件が多いことが考えられます。一方で特別高圧は上限が定義されていない区分のため、少数の巨大案件が平均値を吊り上げる「裾の長い」分布になりやすいという違いがあります。
この数字が示すこと・示さないこと
今回の平均値は各区分内の合計出力÷件数による単純平均であり、区分内での分布(中央値やばらつき)までは示していません。特に特別高圧のように上限のない区分では、少数の超大型案件が平均を押し上げやすく、「平均的な特別高圧案件」が必ずしも1.8万kW前後に多く存在するとは限らない点に注意が必要です。
※本ページの件数・出力の数値は2026年6月時点の経済産業省 資源エネルギー庁「事業計画認定情報」の集計に基づく実数です。査定額・利回りは公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。将来の認定・失効により数値は変動します。
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