中古太陽光の保有コストのひとつ償却資産税は、「簿価 × 1.4%」で毎年かかります。ここで効いてくるのが簿価がどんな形で減っていくかです。定率法は定額法と違い、減り方が年によって大きく違う——最初の数年は大きく軽くなり、後半はじわじわとしか軽くならなくなります。そのカーブを試算例で見てみます。
定率法は「最初ほど大きく、後半ほど緩やか」に減る
太陽光設備(法定耐用年数17年)の固定資産税評価では、減価残存率(取得価額に対する評価額の割合)を、初年度は「1 − 減価率÷2」、2年目以降は「前年度の評価額 ×(1 − 減価率)」で計算する定率法が使われます。定額法(毎年同じ額ずつ均等に減る)と違い、簿価が大きいうちは減る額も大きく、簿価が小さくなるほど減る額も小さくなるのが特徴です。
試算例:耐用年数17年・減価率0.116を仮定した場合
耐用年数17年に対応する一般的な減価率の水準(0.116)を仮定すると、取得価額に対する評価額の残存率はおおむね次のように推移します(以下は仮定に基づく試算例です)。
- 1年目:約94.2%
- 3年目:約73.6%
- 5年目:約57.5%
- 10年目:約31.1%
- 15年目:約16.8%
- 17年目(法定耐用年数到達時点):約13.1%
年ごとの下がり幅を見ると、1〜5年目はまとまって下がり、10年目を過ぎるころには下がり幅がかなり小さくなっているのが分かります。取得直後の設備を保有コストで見るときと、10年選手を見るときとでは、「あと何年でどれだけ軽くなるか」の体感がまったく違います。
実は「17年でゼロ」にはならない
定率法は理屈上ずっと下がり続けますが、固定資産税の評価には下限(取得価額のおおむね5%)が設けられており、評価額はそこで下げ止まって据え置かれます。上の試算の減価率を単純に延長すると、5%の下限に達するのはおよそ25年目前後です。つまり、法定耐用年数17年を超えて設備を使い続ける限り、ごくわずかとはいえ償却資産税はずっとかかり続ける——「耐用年数が過ぎれば税金が消える」わけではない、という点は見落とされがちです。
中古を見るときの視点
同じ出力の設備でも、運転開始から何年経っているかによって、残り保有期間中の償却資産税の負担カーブはまったく異なります。稼働年数が浅い設備は当面の税負担が相対的に重く、稼働年数が経った設備は税負担がすでに軽くなっている一方、下限に張り付いた状態が長く続きます。実質利回り(NOI)を見るときは、このカーブも合わせて確認すると保有コストの見通しがより正確になります。各設備の推定価値ページでは、この償却資産税の推定を含めたNOIを開示しています。
※本ページの減価率・残存率・下限到達年数は一般的な水準を仮定した試算例であり、個別設備の実際の評価額・税額を保証するものではありません。正確な評価額・税額は所在地の市区町村(資産税課)にご確認ください。
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