これまでのFIT満了カレンダーの回では、満了年度ごとの件数・出力(kW)の単年度シェアを見てきました。今回は同じデータを累積比率で組み直し、「全国のFIT認定設備のうち、半分が満了を迎えるのは何年度か」という一点に絞って見ていきます。
件数ベースでは2036年度で累積50%を超える
全国のFIT認定設備・約37.9万件を、認定年度+標準買取期間20年で満了年度に割り振り、早い年度から件数を積み上げていくと、次のように推移します(サンムーブ集計・単純計算)。
- 〜2035年度満了見込み:累積 約44.8%
- 〜2036年度満了見込み:累積 約55.5%
つまり件数ベースで見ると、全体の半分が満了を迎える「分水嶺」は2036年度です。2035年度までは全体の半分に届かず、2036年度を越えたところで初めて過半数に達します。
出力(kW)ベースでは1年遅れて2037年度
同じ計算を、件数ではなく合計出力(kW・合計約5,600万kW)ベースで行うと、分水嶺は1年後ろにずれます。
- 〜2036年度満了見込み:累積 約44.7%
- 〜2037年度満了見込み:累積 約52.9%
件数ベースの分水嶺(2036年度)に対し、出力(kW)ベースの分水嶺は2037年度——ちょうど1年遅れて過半数に達します。同じ「満了が半分終わるタイミング」でも、件数で見るか出力で見るかによって、答えが1年分ずれる計算です。
なぜ1年のズレが生じるのか
この1年のズレは、以前の回で見た「件数の多い年度と、出力(kW)の多い年度は必ずしも一致しない」という傾向の延長線上にあります。2036年度は件数では大きな山である一方、1件あたり平均出力で見るとそれほど突出していないため、出力ベースの累積比率は件数ベースほど早く積み上がりません。結果として、出力の半分が満了するタイミングは、件数の半分が満了するタイミングよりわずかに後ろにずれることになります。
この数字が示すこと・示さないこと
ここでの分水嶺は、あくまで認定年度+標準買取期間20年という単純計算に基づく目安であり、実際の満了時期は運転開始日や認定日のどちらを起点にするかで個別に前後します。またこれは認定済み設備全体の分布を示すものであり、個別の設備がいつ市場に出るか、あるいは特定の設備・所有者・業者の状況を示すものではありません。1年というズレ自体は小さく見えますが、件数ベースの目安だけで市場全体の規模感を語ると、実際に動く発電容量(kW)の面ではやや早計になり得る、という点は押さえておく価値があります。
※本ページの満了年度・累積比率の数値は、資源エネルギー庁が公表する認定情報(データ反映:2026年6月時点)の認定年度別件数・出力に、標準買取期間20年を単純に加算し積み上げた目安であり、確定的な満了時期を示すものではありません。査定額・収益予測は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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