以前のFIT満了カレンダーでは、認定年度別の件数分布に標準買取期間20年を足して「満了ラッシュ」の年度を件数ベースで見ました。件数では2034年度が突出して多いという結果でしたが、1件あたり平均出力の回で触れたとおり、件数と規模(kW)は必ずしも同じ順位になりません。今回は同じ満了カレンダーを出力(kW)ベースで組み直し、件数ベースとの違いを見てみます。
件数トップ5と、出力(kW)トップ5は同じではない
全国のFIT認定設備・約37.9万件(合計約5,600万kW)を、認定年度+20年で満了年度に割り振り、件数(n)と合計出力(kW)それぞれで上位5年度を並べると次のようになります(サンムーブ集計・単純計算)。
- 件数トップ5:2034年度(17.7%)/2035年度(16.4%)/2036年度(10.6%)/2033年度(9.8%)/2040年度(9.2%)
- 出力(kW)トップ5:2040年度(18.9%)/2035年度(13.7%)/2034年度(12.5%)/2036年度(9.6%)/2033年度(8.3%)
件数では5位(9.2%)にとどまる2040年度満了見込みが、出力(kW)ベースでは全体の約19%を占めて単独トップに入れ替わります。逆に件数トップだった2034年度は、出力ベースでは3位(12.5%)に後退します。
なぜ2040年度だけ「重さ」が違うのか
この逆転の理由は、満了年度ごとの1件あたり平均出力の差にあります。件数トップ5だった年度の1件あたり平均出力を比べると、2033〜2036年度はいずれも1件あたり100〜133kW程度である一方、2040年度満了見込みだけは1件あたり平均約302.7kWと、他の年度のおよそ2.3〜2.9倍に達します。件数自体は突出して多いわけではないものの、比較的規模の大きい設備が集中しているために、出力ベースで見ると存在感が一気に増す構造です。この背景(認定制度や環境アセスメントの運用変化など)まではデータから断定できませんが、少なくとも「件数が多い年度=出力も多い年度」ではないことは、実数からはっきり読み取れます。
この数字が示すこと・示さないこと
件数ベースの満了カレンダーは「何件が同時期に市場に出得るか」を示す一方、出力(kW)ベースの満了カレンダーは「どれだけの発電容量が同時期に動き得るか」を示します。小規模設備を多く保有するオーナーにとっては件数ベースの分布(2034〜2036年度が山)が、大規模設備を保有するオーナーにとっては出力ベースの分布(2040年度が突出)が、それぞれより実感に近い目安になると考えられます。ご自身の設備がどちらの「山」に近いかは、無料査定で個別に確認できます。
このカレンダーの前提と限界
ここでの満了年度は、前回同様、認定年度+標準買取期間20年という単純計算に基づく目安であり、実際の満了時期は運転開始日や認定日のどちらを起点にするかで個別に前後します。またこの満了カレンダーはあくまで認定済み設備全体の分布であり、実際に売却の意向がある個別設備の時期を示すものではありません。
※本ページの満了年度・出力の数値は、資源エネルギー庁が公表する認定情報(データ反映:2026年6月時点)の認定年度別件数・出力に、標準買取期間20年を単純に加算した目安であり、確定的な満了時期を示すものではありません。査定額・収益予測は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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