「うちの発電所、そろそろ売った方がいいのか、まだ様子を見ていいのか」——中古太陽光の所有者からよく聞かれる悩みです。この判断のいちばんの軸になるのがFIT残存年数です。今回はサンムーブが集計する全国のFIT認定設備データから、「いま満了が近い設備」がどれだけあるのかを見て、売り時の考え方を整理します。
いま「残存5年以内」の設備は、全体のわずか0.02%
サンムーブが残存年数を計算できる全国の太陽光認定設備・約38.9万件のうち、残存年数5年以内(≒2031年度までにFIT満了を迎える)設備は66件にとどまります。全体に対する比率にすると、わずか約0.02%です。つまり現時点では、「あと数年で買取が終わる」という切迫した状況にある設備は、市場全体で見るとごく少数派だということが分かります。
満了の「波」が来るのは2032〜2035年度
認定年度別の件数推移で見た通り、認定件数は2012〜2014年度に大きく偏っていました。標準的な買取期間20年で単純計算すると、その世代がまとまって満了を迎えるのが2032〜2035年度です。この4年度だけで、サンムーブが把握する設備の4割以上(推計)が満了時期に入ってきます。つまり「満了間近」という状態は、いま突然広がっているのではなく、2030年代前半にかけて一気に集中してやってくる、という構造です。
「売り時」をどう考えるか——2つの力のせめぎ合い
この分布を踏まえると、「売り時」は次の2つの力のバランスで考えるのが実態に近い整理です。
- 持ち続ける力:残存年数がある限り、売電収入は積み上がります。残存年数のレンジ別の推定価格を見ても分かる通り、残存年数が長いほど推定価値は高くなる傾向があるため、まだ残存年数に余裕がある設備を急いで手放す必要は必ずしもありません。
- 先に動く力:残存年数は毎年、確実に減っていきます。残存年数の感応度で見た通り、残り年数が短くなるほど推定価値への影響は大きくなりやすく、また2032〜2035年度に同世代の設備がまとまって市場に出てくることも見込まれます。同じ時期に似た残存年数の設備が増えれば、買い手からの見え方(比較のされ方)も変わってくる可能性があります。
どちらが正しいという単純な答えはなく、自分の設備の残存年数がいまどのゾーンにあるか——「まだ十分に長い」のか「2030年代前半の満了世代に近づいている」のかを、まず客観的に把握することが出発点になります。
まず自分の設備の位置を確認する
残存年数は、運転開始日・認定日のどちらを起点にするかで数か月〜1年程度ズレることがあります(計算根拠はこちら)。サンムーブでは設備ごとに残存年数と推定価値を無料で確認できるので、「自分の設備がどのゾーンにいるか」をまず数字で把握したうえで、持ち続けるか・売却を検討するかを判断する材料にしてください。
※本ページの件数・比率は資源エネルギー庁が公表する認定情報に基づく集計値(データ反映:2026年6月時点)であり、認定日と運転開始日のズレなど個別設備の事情により、実際の残存年数・満了時期は前後します。査定額・利回りは公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格や売却の適否を保証するものではありません。
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