DCF(割引現在価値)で発電所の価値を計算するとき、残存FIT期間の純収益(NOI)をいくらで「今の価値」に割り引くか——その割引率の置き方次第で、同じ収益予測でも推定価値は変わります。サンムーブは推定価値ページの前提として割引率を4.5%としていますが、今回はこの数字の考え方と、動かしたときの効き方を整理します。
なぜ「4.5%」なのか
割引率は、将来のキャッシュフローを今受け取るお金と同じ価値に換算するための仮定で、一般に無リスク金利+将来収入の不確実性に対する上乗せ(リスクプレミアム)で構成されます。FITによる売電収入は単価が固定されている分、株式などに比べれば不確実性は小さいものの、出力抑制・パネル劣化・パワコン更新などの変動要因は残ります。サンムーブはこうした一般的な考え方を踏まえ、中間的な水準として4.5%を採用しています。個々の買い手が実際の取引で用いる割引率(求めるリターン水準)はこれより高い場合も低い場合もあり、4.5%はあくまで一つの目安です。
残存年数が長いほど、割引率の差が効く
割引の効果は複利的なので、遠い将来の収入ほど割引率の変化に敏感になります。試しに割引率を3.5%(低め)と5.5%(高め)で比較すると、FIT残存年数が5年程度の設備では推定価値の差はわずかですが、残存15〜20年に近い設備では、同じ1〜2%の割引率の違いでも推定価値が1割前後動く水準になります。これは経年劣化率の仮定が残存年数の長い設備ほど効いてくるのと同じ構造で、「先が長い分、前提のブレを長く受け続ける」ためです。
割引率だけを見て高い・安いと判断しない
推定価値は割引率・劣化率・OPEX比率など複数の前提の掛け合わせで決まります。ある設備の推定価値が相場より低く見えても、それが割引率の置き方によるものか、残存年数や日射条件の違いによるものかは分けて考える必要があります。サンムーブが前提を一つずつ開示しているのは、利用者が「どの前提の違いで数字が動いたか」を自分で検算できるようにするためです。
※本ページで述べた割引率のレンジ・試算はいずれも一般的な仮定に基づくものであり、個別設備の実際の推定価値・取引価格を保証するものではありません。実際の取引条件は、買い手・売り手それぞれの資金調達コストやリスク評価によって異なります。
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