以前の回で月次の「所有者移転」536件そのものの件数を紹介し、別の回では電源種別ごとの「1件あたり平均出力」を見ました。今回はこの2つを組み合わせ、実際に所有者移転が起きている案件の「1件あたり平均出力」を、市場全体の平均と比べてみます。
実数:移転536件・合計13.9万kWの平均は260.1kW
直近1か月(2026年5月→6月)の所有者移転536件は、合計出力139,401kWでした。1件あたりに直すと次のようになります。
- 所有者移転536件の合計出力:139,401kW
- 1件あたり平均出力:260.1kW(139,401kW ÷ 536件)
- 内訳:太陽光518件(96.6%)、風力18件(3.4%)
太陽光全体の平均152.1kWと比べると約1.71倍
この移転536件は9割以上が太陽光ですが、全国の太陽光設備・約38.3万件の「1件あたり平均出力」は152.1kWでした。移転案件の平均出力260.1kWは、この太陽光全体平均の約1.71倍にあたります。件数の大半を占める10〜50kWの低圧案件がそのまま平均的な移転規模になっているわけではなく、実際に動いている案件はやや大きめの層に寄っているという実数です。
考えられる要因
断定はできませんが、考えられる要因の一つとして、高圧以上の案件は法人所有が中心で、事業譲渡やファンドの組み替えといった形で所有者移転が発生しやすい一方、10kW台の小規模な低圧案件は個人所有のまま長期保有されやすく、移転の対象になりにくいことが挙げられます。実質利回りや推定収益で見ても規模による違いが出やすいことから、規模がある程度の水準に達した案件の方が、売買市場に出やすい可能性があります。
この数字が示すこと・示さないこと
ここでの平均出力は、移転536件の合計出力÷件数による単純平均であり、移転案件ごとの出力の分布(中央値やばらつき)までは示していません。また今回の集計は単月(2026年5月→6月)の差分に基づくものであり、継続的な傾向かどうかは複数月のデータを見る必要があります。特定の設備・所有者・業者の状況を示すものではなく、全国の認定設備を匿名・集計した実数である点にご留意ください。
※本ページの件数・出力の数値は、資源エネルギー庁「事業計画認定情報」の月次差分(2026年5月→6月)および事業計画認定情報の集計に基づく実数です。査定額・収益予測は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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